夏、行進中に起きた話

刑務所では作業中はもちろん、所内を移動する時の行進中も目をキョロキョロさせては脇見として罰を貰ってしまう可能性があるので、行進中は常に目線をまっすぐにしています。
夏のある日の行進中に『サクっ』という音と共に何かを踏んだ事が分かりましたが、何を踏んだかは分からなかったので、一瞬で俺は何を踏んだのか⁉︎と考えました。
音からして『カール』だ！
カールのチーズ味が落ちていて、それを踏んだんだ！と思いましたが、いや刑務所にカールなんて落ちているはずがない！
それでは俺はいったい何を踏んだんだ⁉︎
この間、およそ2秒。
もう罰を受けてもいいから確かめてやる！と思った俺は覚悟を決めて後ろを振り向きました。
すると現実は恐ろしかった。
そこにはセミが横たわっていました。
見て後悔しました。
部屋に戻ってから、手を合わせました。
セミさんごめんなさいと。
それで分かった事、刑務所ではルールを守った方が良い！
脇見はしない方が良いという事を・・・(>_<)