前略
リッキーが、お先に旅に出られたと聞きました。
友が旅に出るというのは、とても寂しく悲しいです。
しかし、家族であるブルーノとマリオはもっと辛い思いをしていると察します。
俺はここで祈る事しか出来ない。
葬式にも顔を出してやれなく、本当に申し訳ない。
旅に出たと聞いて、すぐにリッキーとの思い出が頭に浮かびました。
IDの前のステップスのカウンターでよくリッキーと二人で話しをしていたよ。
その時に、リッキーが俺によく言ってくる言葉が『一樹、ブルーノが喧嘩しそうになっていたら、止めたってね』本当に弟思いの良い男だったよ。
俺はいつも、その兄弟愛に羨ましさを感じていた。
ブルーノは酒飲んで喧嘩っぱやくなる事が多々あったけど、リッキーはいつも冷静で、喧嘩なんてバカバカしいという感じだったからね。
ダーツで負けたらテキーラを飲むというので、俺が負けまくっているのを見て、リッキーが爆笑していたというのも、良い思い出。
今、ブルーノがどれほど落ち込んでいるのかは、俺には計り知る事は出来ない。
だけど、これだけは言えるのはリッキーは、ブルーノに早く立ち直って、前向きかつ元気に生きていってほしいと思っているはず。
だって、あの優しいリッキーのことだから。
そして、残された者に出来ることは、リッキーのことを語り続けることだと思う。
だから、俺が出所したら、ブルーノと酒を飲みながら、リッキーとの思い出について語り合いたい。
そうしたらリッキーも喜んでくれる気がする。