最近切なかった事3
おじさん達がボール一個で喜び散らかし戯れるという異変に途中から私は気がついてしまい、その事を他のおじさん達にも告げましたが、私を含め誰もウィルソンと遊ぶ事を止めませんでした。
それどうかこの戯れの輪に、メガネ君とたこ焼君もメンバーとして加わってきました。
このたこ焼君が大事件を起こしてました。
今まで皆してトスで回していたのに、調子に乗ってアタックを打ったのです。
ウィルソンはあさっての方向に飛んでいったのかと思ったら、私達受刑者の立ち入る事の出来ない2階へと着陸した。
私はこみあげる思いを陰しきれず『お〜いっ!たこ焼!こらぁ!何やっとんじゃー!』とたこ焼君を恫喝していた。
その後、たこ焼君がすぐに心の底から誤ってきたので、私も落ちつきを取り戻した。
私は2階にとり残されたウィルソンの姿をひたすら1階から見つめていた。
救出してやりたかったが、どうする事も出来なくて『ごめんな!ウィルソン!ごめんなー!本当にごめんなー!』と叫んだ。
そんな私の姿を見て皆は笑っていたが、私はウィルソンとこんな別れ方をした事が本当に切なかったので、本気の思い出叫んでいたんだ。
ウィルソンを発見してから15分で、こんなにも連続して切なさを味わうと思いませんでした。
私にも人間としての心が残っているという事なのかな・・・